知っておくと便利なラーメン屋の物件探し情報について、飲食物件のプロが解説します♪
物件取得までの流れは?
物件を探している方やこれから探そうとしている方には、どうやって見つけていくのか、どうやって流通していくのかといった物件取得までの流れは、是非知っておいてほしいと思います。
建物を持つオーナーさんは、個人オーナーさんから大手デベロッパーまで色々ありますけど、そのオーナーさんからまず募集の発信がされます。
基本的にはオーナーの馴染みの不動産会社に物件を卸すことになります。オーナーと直接的に物件を取り扱っている不動産会社を「物元業者」と言います。
この物元業者が直接動いて物件を決めるケースも多々ありますが、一部の情報は他の不動産業者にも流します。
流す理由としては、なかなか決まり手がいないとか自分ではやらないとか、そういうケースもありますが、付き合いがある業者に仕事を回してあげるといった下請けのケースもあります。物元業者が自分で客付けせずに他所に任せるということですね。
その物件情報を受け取った業者のことを「客付け業者」と言います。
オーナーへの交渉は物元業者に任せて、お客様を連れてくるいわゆる客付けに専念する業者です。役割を分けているんですね、不動産会社の中で。
客付け業者のことは、一般業者とか媒介業者とも呼びます。
なので物元業者は完全にオーナー寄りです。オーナーが気に入ったテナント、オーナーにとって良い条件になるテナントを好みます。
一方で客付け業者は複数あってその中で競争しているので、自分が連れてきたテナントをいかにオーナーにイエスと言ってもらえるかということに長けています。
物件の取引態様とは?
物件情報には取引態様というものが載っています。
取引態様とは、不動産会社が取引を行う際に『どの立場にいるか』を示したものです。
ここは物件契約の際とても重要になるので必ず確認してください。
取引態様は大きく分けて3種類、細かく分けると5種類あります。
まず1つ目が「貸主」です。
貸主の場合、自らが所有している物件をオーナーが仲介会社などを通さずに借主と直接賃貸契約を結びます。
この場合仲介手数料がかからないのとオーナーと直接話すことができるのがメリットです。
ただ個人のオーナーさんが貸主案件として物件を出すことはほぼありません。やはり不動産仲介はかなり特殊になってくるので、資格の持たない素人の方はなかなかやらないですね。
なので貸主案件は不動産会社が自社の所有している物件を出しているケースがほとんどです。
有名なところで言うと、東京ビルとか森ビルとかああいったところですね。性質的にビジネス街が多いと思います。
ただやはり良い場所にあるので賃料がすごく高いです。
僕の体感になりますが、貸主案件は全体の1割満たない程度だと思います。
次に「代理」です。
こちらはオーナーの代理人として不動産会社が借主と契約を結ぶ形になります。
仲介手数料はオーナー側が払うので基本的に借主は支払う必要はありません。
ただ代理というケースはほとんどありません、全体の1%ぐらいだと思います。
だいたいが親会社が貸主で子会社が不動産業者というパターンで、それで子会社の不動産会社がテナントを探すという感じになっています。
運営やその他のことは貸主の不動産会社がやって、客付けだけは別の会社、子会社がやるっていうケースもありますが、それもかなり少ないです。
ただ「代理って何だ?」ってなった時に思い出せるよう、頭の片隅にでも覚えておいてもらえたらと思います。
どんな業者に依頼するのがお得?
3つ目の取引態様が「媒介」です。
媒介が最も多い取引態様で、不動産会社が橋渡し役として物件を所有するオーナーと借主の間に立って、その取引を取りまとめ仲立ちする形になります。この場合借主は媒介契約に基づき仲介手数料が必要になります。
媒介はさらに「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3つに分かれています。
一般媒介の場合、担当の不動産会社が客付け業者で、専任媒介か専属専任媒介の場合、担当の不動産会社は物元業者になっています。
専任媒介と専属専任媒介には少し違いがありますが、借主にとってはほぼ一緒なのでここでは割愛しますね。
媒介が最も多い取引態様になりますが、媒介の中でも専任媒介や専属専任媒介になっていたらそれはラッキーな物件です。
担当が物元業者ということはオーナーに直接話を持っていける業者ということなるので、この方たちに気に入ってもらえれば、物件取得率が飛躍的に上がるからです。
専任媒介や専属専任媒介に当たった場合は、取得率が高いチャンスだと思っていただいていいと思います。
取引態様は問い合わせ先の不動産会社の名前のところに明記してあります。専任や専属専任を取ってる場合はそれをアピールしたいので100%書いてありますよ。何も書いてなかったら客付け業者です。
ただ専任や専属専任だった場合は一般に比べて話が早い、ラッキーだなぐらいに考えておいてくださいね。